2023.04.06 プレスリリース

MICIN、国立がん研究センター東病院と、肺がん患者向け周術期管理アプリを用いた探索的臨床研究を開始

株式会社MICIN(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:原聖吾、以下 MICIN)は、国立研究開発法人国立がん研究センター東病院(病院長:大津 敦、以下 国立がん研究センター東病院)と、肺がん患者の術後の早期回復を目指し、PHR*1を活用した周術期管理アプリを用いた探索的臨床研究を開始いたしました。

肺がんは日本人の死亡数1位、罹患数2位のがんであり*2、その罹患数は高齢化に伴いさらに増加することが予想されています。術前から在宅で患者に質の高いリハビリテーションを行ってもらうことで術後の合併症を防ぎ、早期回復につなげ、在院日数の短縮を実現できる可能性があること*3, *4, *5が示されていますが、その継続性をサポートする仕組みが求められています。

今回、MICINが開発した周術期管理アプリを、国立がん研究センター東病院で肺がんの手術を受ける患者にお使いいただき、入院前から退院後の生活の中でセルフケアとリハビリテーションの実施を促すことで、患者負担の軽減や日常生活へのスムーズな復帰の実現可能性について探索的な臨床研究を実施します。このアプリには、患者に術前から医療情報や体験談を提供する機能や、在宅環境でリハビリテーションの実施状況、傷口や呼吸状態の記録などを含むPHRを取得・モニタリングできる機能が搭載されています。これらにより、患者のセルフケアの状況や、医療者の業務負荷への影響、また患者・医療者双方の利用に関する総合的な評価も行います。

MICINは、外科手術を受ける患者向けの周術期ケアアプリ「MedBridge(メドブリッジ)」*6を開発しています。2021年には心臓血管外科手術向けの「MedBridge heart care」の提供を開始し、現在は肺がん領域でもMedBridgeを活用したソリューションの開発を行っています*7。また、これまでに大腸がん患者の周術期管理アプリを開発し、現在、国立がん研究センター東病院で探索的臨床研究を行っています*8。
今回の共同研究を通じて、外科手術を受ける肺がん患者向けの周術期ケアに貢献できるよう、更なる改良や開発を進めて参ります。

*1:Personal Health Record、患者が自らの医療・健康情報を収集し一元的に保存するしくみ
*2:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん登録)・2019年データを参照
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
*3:Z. Liu, et al. ,Anesth Analg., 2020; 131(3):840-849
*4:T. Saito, et al., Lung Cancer, 2021; 162:135-139
*5:澤田 優子ら、理学療法科学, 2008; 23(2):291–295
*6:MedBridge(メドブリッジ)HP https://medbridge-micin.com/
*7:2021年11月18日プレスリリース https://micin.jp/news/5876
*8:2023年4月3日プレスリリース https://micin.jp/news/9923


【国立がん研究センター東病院 概要】
国立がん研究センター東病院は、1992年に設立され、年間9,000人を 超える新患の方が訪れるがん専門病院です。世界レベルのがん医療の提供と新しいがん医療の創出をミッションに掲げ、国の「臨床研究中核病院」、「がんゲノム医療中核拠点病院」などに選定されています。併設する先端医療開発センター(NCC-EPOC)とともに、国際的なネットワークを基盤とした研究開発の拠点として、先進的ながん治療薬・医療機器開発やゲノム医療をはじめとした個別化治療を推進し、多数の実績を上げています。
ホームページ:https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/index.html

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